満月動物園が15周年記念にお届けする死神シリーズ[観覧車編]は、倒壊する同じ観覧車の別々のゴンドラを舞台にした 一話完結型の5連作。突然の大事故に遭遇した人たちに取り憑く新米の死神が繰り広げる、笑いと涙の止まらないノンストップ・メルヘンです!!
取り憑かれた人にしか見えない『設定』の死神が「よりよく生きろ」とおせっかいに口出しつづけるシチュエーションコメディのような軽快な展開の先に、 登場人物たちが生死をはさんで本当に大切なものに巡り合うまでを描きます。
イメージを具現化するような幻想的で時に難解な作品を製作することも多かった満月動物園が、より多くの方に満月動物園の世界観を楽しんでいただけるように挑む、分かりやすくて【メルヘンで優しくて、ハード】な作品たちです。

第１弾『ツキカゲノモリ』では主人公・澳(片岡百萬両)を中心にした【事故後の物語】、第２弾『ツキノウタ』では主人公・鹿太郎(谷屋俊輔)を中心にした【事故中の物語】を描きました。 特に昨年12月に上演した『ツキカゲノモリ』は、コリッチアワード2014で大阪公演のみの作品では唯一、全国8951作品中20位に入賞と、大きな反響をいただきました。
第３弾となる今回は【観覧車倒壊事故前の物語】。結婚を目前に控えた男・瑠璃の婚約者・彩子が交通事故をキッカケに、死神に取り憑かれてしまいます。しかし、その死神はまだ新米。 手違いで彩子に将来、観覧車倒壊事故で死んでしまうことを伝えてしまうのです。
本作『ツキノオト』は、死神に取り憑かれたという彩子に困惑する瑠璃を中心にした、観覧車倒壊事故までの物語です。

死神シリーズ[観覧車編]に登場する死神は、まだ新米。『死神としてあるべき姿が、いまいちピンときていない』と悩みながらも、死んだ後に魂を譲ってくれると契約してくれ取り憑いた相手が「より良く生きる」手助けを、彼らなりに一生懸命します。 それは「善良な魂ほど高く売れる」から。
その姿は、死神と言えどもホラーでもオカルトでもなく、むしろ彼らの登場するシーンは笑いにつつまれる和やかなものになってしまいます。登場人物はその和やかさにつつまれながら、徐々に自らの死に向き合っていき、【本当に大切なもの】を手にします。
死神シリーズを通して、ほとんどの作品で死神を演じるのは河上由佳ですが、本作だけ丹下真寿美さんが演じます。独特の存在感で大好評の河上死神ですが、唯一の丹下死神も見逃せません!!