旅行中に未曽有の大事故・観覧車倒壊事故に遭遇し、奇跡的に一命を取り留めた澳(おき)。
その後、事故現場となった関西に近づくことはなかったが、
転勤によって10年ぶりに関西を訪れることになった。
逡巡しつつも事故跡地に足を運ぶ。ようやく整備計画がまとまり、跡地はやがて祈念公園となる予定だが、
その前のむき出しの跡地は、フェンスで覆われ外からは詳しく窺うことができない。
設けられた祭壇に積まれた花束や千羽鶴の山。空を見上げても、そこには何もない。
澳は、事故によって様々に人生に影響を受けた人たちと出会うことになる。
事故の際に取り憑いた死神も一緒に。