①.お父さんはなんにも知らない
旗揚げ公演は、恋に悩む姉妹の物語
別れた恋人に自殺されてしまった姉。大学卒業を控え進路に、そして恋に悩む妹。互いを思いやりながらも、
すれ違う姉妹を中心に、これからの生き方について考える若者たちを描いた群像劇。
八百屋(ななめ)になった舞台と、それを囲むように敷き詰められた白い砂を踏みしめるキュッキュッという音が、
揺さぶられながらも一歩一歩進もうとする姿を暗示する。ホームレスの若者なども登場し当時の世相を
反映している。
出演■河上由佳/原 典子/菊川智美/今田恵美/井上亜紀/西本卓也(劇団カオス)/
後藤直樹(劇団カオス)/中田尚久(フリー)/吉野圭一
(1999年9月・都住創センター・記録映像)
②-1.倦怠~けだい~の夢
才能と恋の葛藤を描く
月刊満月動物園の一つとして上演した掌編。約半分ほどがロウソクの火だけで上演されているため
見えにくいシーンが多々ございます。
詩人・中原中也と評論家・小林秀雄の間に実際にあった恋人・長谷川泰子を奪い合うという事件を
モチーフに、男女を入れ替えて描いた。
出演■河上由佳/原 典子/和田祐二
(2001年8月・都住創センター・記録映像)
②-2.蟹のメビウスカノン
30行のテキストを演技と演出で物語をつくる
月刊満月動物園の一つとして上演した掌編。テキストは30行のみ。これを反復・逆行させて構成し
演技と演出のみで物語をつくりだすという実験作。
難解な作品だが、その後の満月動物園の作劇に大きな影響を残した。丹羽浩子の衣装が光る。
出演■河上由佳/原 典子/和田祐二
(2001年10月・都住創センター・記録映像)
②-3.すくわれる月
結婚式前夜、揺れる男心を描いた
月刊満月動物園の一つとして上演した掌編。おそらく満月動物園では唯一「揺れる男心」を描いた
作品。結婚前夜、夢とも現ともつかぬ新月の晩、男は「かつての女」に邂逅する。
出演■河上由佳/比薙華衣/和田祐二
(2001年11月・都住創センター・記録映像)
③.ネムリノソコ
キニナルハナシアリマス
都住創センター時代の代表作。心臓移植をモチーフにし、ユメと現実のハザマ、「ネムリ」を舞台に
様々なイメージの羅列によって少女二人の葛藤を描き出した。
その後の満月動物園作品の方向性を決定づけた作品として印象に残る。目の咲いた女を演じる河上由佳の怪演が光る。
出演■河上由佳/比薙華衣/今田恵美/丹羽浩子/原 典子/アシダリョウコ(天体雑貨)/
ヴェルベット俊輔/大林剛士(T∀NTRYTHM)
(2001年3月・都住創センター・記録映像)
④.カデンツ
火も! 水も! 満月動物園の野外公演
野外公演。名村造船所跡地に建てたテント劇場で、家を捨てた女・蕗子の激情を描いた。水路からの登場、家が燃え上がる情景から
の開演が耳目をさらった。諏訪いつみ入団後第1作としても記憶に残る。また俳優・他一人の事実上の引退作。
出演■河上由佳/原 典子/諏訪いつみ/たなかひろこ(きんのさかな)/横田江美(A級MissingLink)/
矢田雅美(GiantGrammy)/鶴留真由(Emotion Factory)/あべじゅんこ/南田吉信(劇団大阪新撰組)/川上一美(劇団夢売り芝居)/
上原日呂(月曜劇団)/ココロ(劇団大阪新撰組)/殿村ゆたか
(2006年11月・未知座小劇場特設野外劇場・販売用編集済)
⑤.ツキノアバラ
15夜は暗黒の若草物語
第15夜の記念公演として過去最多の21人が出演。『ツキノアバラ』の初演は2003年で3度目の上演。
上演にあたっては大幅に加筆修正を加えた。火山島に育った4姉妹の悲しい離散を背景に、
変死事件が続く町で4姉妹が再び会いまみえる。
会場である2ndを逆方向から使い、搬入用の大きなシャッターを全開にした状態から開演した。
出演■河上由佳/原 典子/諏訪いつみ/サリngROCK(突劇金魚)/重田 恵(コレクトエリット)/
みず/西川さやか(月曜劇団)/誉田万里子(オリゴ党)/たなかひろこ(きんのさかな)/上原日呂(月曜劇団)/
昇竜之助(魚クラブ)/辻 千香(GiantGrammy)/南田吉信(劇団大阪新撰組)/ヤマサキエリカ(月曜劇団)/
笠江遼子(茶ばしら、)/近藤ヒデシ(COMPLETE爆弾)/今井康平(REAL)、櫟村将宏(AmusementTheatre劇鱗)/
片岡百萬両(ミジンコターボ)/殿村ゆたか/デカルコ・マリー
(2008年10月・in→dependent theatre 2nd・販売用編集済)